2025年3月、水族館同士の輸送中にゴマフアザラシが死亡してしまうことがあったようです。
死因はまだ調査中ですが、亡くなったアザラシ「ジャンボ」について、輸送の理由や管理体制についても調べてみました。
輸送中の死亡について

ゴマフアザラシ「ジャンボ」は万全な体調で、男鹿水族館GAOを出発し、秋田から福岡までは飛行機、福岡から大分まではトラックで移動していました。
その後、大分県にある大分マリーンパレス水族館「うみたまご」から死亡したという連絡があり、死因について確認を進めているようです。
飛行機での移動中に亡くなったのか、トラックなのかもまだわかっていないみたいです。

輸送は動物にとって強いストレスがかかるので慎重に行われるよ



移動中の衝撃で壁に当たってダメージを負うこともあるみたい…
ジャンボについて


ジャンボは、2024年4月10日に男鹿水族館GAOで生まれたオスのゴマフアザラシです。GAOで生まれたアザラシの中でも一番大きくなるペースが早かったみたいです。
ジャンボは、GAOで2012年から飼育されている、「ゴクウ」と「こまち」の間に生まれました。
こまちについて
北海道のあさひやま動物園で2009年4月2日に生まれ、その後2012年に男鹿水族館GAOに移動しました。現在16歳のメスとのこと!
こまちはこれまでに複数回の出産経験があり、毎回育児放棄をしてましたが、ジャンボだけは育児放棄をしなかったようです。
ゴクウについて
北海道のおたる水族館で保護されたゴマフアザラシのオス。2012年にGAOへ輸送されてきたときの推定年齢は3歳、2025年現在で16歳前後だと思われます!
もともと野生のアザラシだったからか、凶暴な側面があるみたいです。
繁殖プログラムの一環としての移動


GAOは積極的に繁殖プログラムを行っており、その一環としてゴマフアザラシやホッキョクグマを他の水族館に輸送したり、受け入れたりしていたようです。
今回ジャンボが別の水族館へ輸送されたのも、繁殖プログラムの一環でした。
なんで生体を他の水族館に送るの?



ストレスになるのに、輸送するなんて可哀想!



輸送はお客さんのためじゃなく
動物の子孫繁栄のためにやってるよ
水族館では、動物の遺伝的多様性の維持のため、他施設と協力して繁殖計画を進めることはよくあります。
ずっと同じ施設内で繁殖活動を繰り返すと、血が濃くなってしまい健康な子孫が産めなくなってしまいます。これを防ぐため、他施設と生体を交換し、新しい遺伝子を入れているのです。
複数施設で情報共有することで飼育技術の向上にも繋がります。
また、国内での繁殖方法を確立できれば、海外からの個体導入に頼らず、個体数を維持できます。



ラッコは国内での繁殖がうまくいかず、
海外からの輸入も禁止されたので、
今いる個体が死亡したら日本の水族館からいなくなっちゃうよ!
管理体制はどうだったの?
結論から言うと、GAOの管理体制には問題があるようには見えませんでした。
むしろ、種の保存を第一に考え、積極的に行動している水族館と言えます。
水族館のブログを確認すると、頻繁に動物たちの状況が記録されており、丁寧に飼育されていることが分かります。
「ジャンボ」の両親も全く異なる水族館から輸送されてきており、近親交配の危険性が全く無い状態での繁殖でした。
これまでも新江ノ島水族館や旭川動物園などと生体の輸送を行った経験があり、非常にしっかりした管理体制であったことがうかがえます。
おわりに
今回の死亡はとても残念ですが、GAOの普段の管理体制や方針には問題はなく、今回の件で繁殖プログラムに消極的になってしまわないといいな、と思います。
死因については調査中ですが、このような悲しいことが起こらないことを祈ります。
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